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2007.11.04

第2拝、23日目スタートです。

第2拝、23日目スタートです。

 週間天気予報を注意して見つつ。
 「この日」と決めた時に出発です。祝日と重なったのは偶然。
 徳島は「おどる国文祭」「阿波の狸まつり」で盛り上がっていますが、足の向かう方向は違って遍路に出ます。

 平成19年11月3日。
 第2拝、23日目としてスタートです。

 夜明け前の5時半起床。いつもより早め。
 段取りもよろしく。前日に必要なことは済ませてあります。
 6時ちょうどに出発準備完了です。

 出発前にウェブで確認した天気予報では、明日の日曜日午後から雲が多くなるようですが…問題無いレベルでしょう。一応、雨の準備もしておきます。
 毎回に思うのですが、通し打ちの方は、雨が降っても矢が降っても歩かれる方がいるので…出発についてあまり天候を気にするのもいかがなものかと思いつつ。

 今回は、「修行の道場」土佐は高知のなかでも「比較的に巡拝しやすい」と言われる、第28番札所「大日寺」から第32番札所「禅師峰寺」まで歩いて順拝、宿泊も有りの予定です。
 打ちやすい区間と言っても、修行の道場らしく各札所間の距離は大きく離れているので、今回は珍しく事前にガイドブックで所在地を確認してみたり、地図で距離を測っては「4Kmで割り算」をして…およその所要時間を計算してみたり…スケジュールはプラス10%の所要時間で。
 公共交通機関の利用が大いに見込まれるので、今回はGPSレシーバは持参しません。残ったデータは多分に細切れで…データとしての価値がないと思われるからです。ですので、軌跡の表示された地図はありません。

 過去に例のないほど慎重に。
 これは、2日目(4日の日曜日)現地での活動限界時刻が14時と推定されるので…区切りが変にならないようにも考えて。
 初日のノルマは第30番札所「善楽寺」です。これをクリアできないと、宿、2日目の往路そして徳島への帰路まで全ての段取りが違ってきます。当然、区切りも悪くなって次回の出発で困ったことになります。
 ただ、ペーパーに書いても一々見ていられないので頭に叩き込みます。結局は理解したつもりで「行き当たりばったり」になるのかな?

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 自宅の最寄り停留所からバスに乗り、ひとまず徳島駅を目指します。時間帯も早いので何ら問題なく6時43分に到着します。
 ここまで全くの予定通り。そりゃそうだ。こんな短距離でスケジュールが狂ったら先が思いやられるよ。
 周囲はすっかり明るくなっています。

 JRへは連絡時間が約10分で。もう最高です。
 6時52分発、特急「剣山1号」へ乗車します。
 正直、もっとバタバタするかな?と思っていましたが、タバコ吸う余裕があるぐらいです。

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 時に8時10分。
 ウトウトする間もなく約80分で、JR阿波池田駅へ到着。乗り換えです。
 ホームで吹く風が寒い。一応、白衣の下にはトレーナーを着ているのですが…。このあたりって、こんな時期から寒かったですか?
 朝食でも。と思ってホームで「祖谷そば屋」を探しますが無いです。確か有ったよう記憶が…記憶違いか?無くなったのか?

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 8時26分発、特急「南風1号」へ乗車。
 いよいよ高知県へ向かいます。
 途中、大歩危渓付近を通過の時に写真に残してみようと試みますが、どうにも上手いこといきません。
 ま、物見遊山ではないので…この辺で。

 時に9時40分。
 少し遅れてますが…これまたウトウトする間もなく約70分で、JR後免駅へ到着です。ここで下車します。

 記憶にある「JR後免駅」の面影は全くなく、現代的な2階建て…ガラス張りの建物になっています。随所にレンガ風の部分もあり、なかなかに格好良くて。
 何年も前に「土佐くろしお鉄道」と相互乗り入れする駅となることを知ってから、改築は予想していましたが、改めて見ると驚きます。
 余談ですが、また一段とJRさんの対応が丁寧になったよう感じます。わたしだけ?

 さて、ここからが本番です。
 プランとしては第28番札所「大日寺」のある香南市野市町まで、「土佐くろしお鉄道利用」「タクシー利用」「歩く」あたりが想定されていました。

 土佐くろしお鉄道阿佐線、奈半利行きで次の発車は?なんと!10時27分とのこと。
 …これは待てないですねぇ。覚悟を決めて歩きますか?

 今しがた、いっしょに数人バラバラと下車したばかりの他のお客さんに聞いてみます。ちょうど近くにいるご夫婦に…。
 「すいませーん!野市まで歩くと2時間ぐらいかかりますかぁ?」
 おばさんは「さぁ?1時間ぐらいじゃなかろか?」
 おじさんは「2時間はかかるじゃろ?」
 続いて尋ねます。「もしかして?土佐山田で降りた方が良かったですか?」
 お2人とも「さぁ?どうじゃろねぇ?」とのこと。
 そうだ。普通、地元の人は歩かない区間だから…ハッキリは分からないですよ。
 お礼を申し上げて別れます。

 ご夫婦の姿が見えなくなったところで、同じ質問を駅前で待機中のタクシーの運転手さんへ。
 「そりゃ2時間は見ておかないと!」さすが即答です。
 「やっぱり…そうですかぁ。。。」8Kmの見立ては正解かな?
 突然にタクシーの無線が賑やかに。運転手さんマイクを取って対応されます。
 邪魔してもイケませんので、会釈ぐらい頭を下げてから離れます。

 いよいよ、歩きで確定のようです。
 ま、ウォーミングアップと言うことで。
 方角は分かっているので、目的地へ向かって歩き始めます。

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 遅なりのついで。
 あちこちにカメラを向けていると、きれいなお姉さんから声がかかります。
 「撮ってあげますよー!」
 ありがたく思いながらカメラを預けます。
 上手に撮ってもらったあと、改めて進行方向へ。

 50mも歩かないうちに、先ほど所要時間を尋ねたタクシーが真横で止まります。
 唐突に後ドアが開きます。
 一瞬、「乗っていくかい?」との声を予想して身構えてしまいます。

 ところが。
 運転手さんからの声は…。
 「町駅まで行ってみ。安芸行きのバスがあるかもよ?」とのこと。

 そうでした。
 南国市中心部は交通の要所で、先のJR、土佐くろしお鉄道共同使用の「後免駅」から、ほんの2Km足らず東のところに…土電の路面電車、土電バスのターミナル「後免町駅(通称・まちえき)」が有るのでした。
 すっかり忘れていました。
 改めてお礼を申し上げ、タクシーを見送ります。

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 電車通りをテクテク歩きます。
 その昔、よく呑みに来た店が残っていたり、無くなっていたりして。ある意味で感慨深く。

 時に10時8分。
 後免駅から、20分ほどで後免町駅です。いい運動になりました。
 さてさて。1番早い安芸方面のバスは…10時55分。こりゃダメだ。これを待つなら、後免駅で土佐くろしお鉄道を待ちます。
 こういう細かいところは現地じゃないと分からないので、タクシーの運転手さんの助言は決して外れていません。

 さて、この時間なら後免駅まで戻れば、ちょうど奈半利行き土佐くろしお鉄道に乗ることができるでしょう。
 戻りは電車通りではなく、阿佐線の高架線に沿って戻ります。きっと最短距離でしょう。
 ただ、こうなると慌ただしくなってきます。
 小走りに近く。

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 15分ほどで後免駅まで戻ってきます。発車の5分前。
 結局は、10時27分発、土佐くろしお鉄道阿佐線、奈半利行きに乗ってしまうんですね。
 じゃぁ最初から待ってれば良かった。とも思いますが…結果論なので何とも言えなく。
 仮にも1度は歩きも目指したところですし。

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 ほどなく乗車しますが、車内は混雑。
 本数の少ない「オープンデッキ車」のようです。この車両は海側に向く面が大きく開けているんです。
 人気もあるでしょう。なにより祝日ですから人出も多いと思われます。

 時に10時37分。土佐くろしお鉄道阿佐線のいち駅へ到着です。
 これより、第28番札所「大日寺」へ向かって歩き始めます。

 ※後日談。
 同じ区間で、同時刻に同じ列車に乗られていた方がいました。
 詳細は、ブログ「鉄道おたく旅」で。

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2007.11.07

【第2拝】第28番札所「大日寺」

【第2拝】第28番札所「大日寺」
平成19年11月3日 11:09

 土佐くろしお鉄道阿佐線のいち駅を下車。
 駅前の通りを北進します。
 …その昔、近くに9年ほど住んでいたのですが、その頃の面影はありません。

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 この駅前通り。
 「昔は何があったかなぁ?」なんて思い出してみますが…よく思い出せません。
 少なくとも、バーンと道を通せないような、店舗なり住宅なりあったような。
 「10年一昔」と言いますが、まさに浦島太郎。

 もちろん何もかも変わったわけではなくて、広く見通すと懐かしいところも多くあります。
 歩いてみれば、なお気がつくわけですが…。
 今日は残念ながら、懐かしいところを回る時間、余裕はありません。

 程なく川沿いの県道22号線へ合流し、さらに北進します。
 まだ足も温まっていないので、ゆっくり向かいます。

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 県道を北進していると、お馴染みの「へんろ道保存協力会」シールほか道しるべを見つけます。
 「山道へ入れ」と言うことのようですが…?
 前回は車で強行軍だったので、このあたりは気がつかないんですよねぇ。

 山道を進むと、すぐに石段です。
 軽快に登ります。
 …それにしても、こんなに登ったかなぁ?

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 駅より約2Kmを30分ほどで到着です。
 香南市野市町の第28番札所「大日寺」です。

 山門近くでウロウロしていると、歩き遍路と思われる青年とすれ違います。
 お急ぎの様子で、挨拶だけ交わして分かれます。

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 山門で合掌の後、境内へ臨みます。
 白の砂利と石で敷き詰めた、美しい境内は以前と変わらず広がります。

 本堂へ参拝します。
 読経の途中、団体さんが到着のようで背後で騒がしくなりますが…落ち着いて。

 大師堂へ参拝します。
 少し離れたところで読経しているご夫婦が、むちゃくちゃに早口で内心「えぇ?なにそれ?」と思ってしまいますが…余所は余所。自分は自分。つられないように、気にしないように。

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 納経所は改築中のようです。
 次回、訪れるときにはきっと立派な納経所になっていることでしょう。

 男性より納経の印をいただきます。
 特に話題もなく淡々と。

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 時に11時46分。「大日寺」を後にして第29番札所「国分寺」へ向かって歩き始めます。

【第1拝】第28番札所「大日寺」

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2007.11.08

香南市野市町で昼食。

 第28番札所「大日寺」を後にして、第29番札所「国分寺」へ向かって歩き始めます。
 元来た道、県道22号線を南進。そして続いて駅前通りの路地をさらに南進。

 旧来の「へんろ道」を行くのであれば、駅に着くまでに右折。
 県道364号線を西進します。

 余談ですが、土佐国分寺さんを目指すのに、ここで道を間違えて県道22号線を北進したり、土佐山田方面を経由しようとしたりして迷ってしまうことがあるようです。
 南へ進んで後免方向を目指すのが正解かつ、迷いにくいようです。

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 …そう言えば、お腹がすいたなぁ。
 珍しく、昼の時間に「昼ご飯」にできるかな?
 確か?のいち駅から南にフジグランが見えていました。この辺りまで行けば何とかなるかな?

 時に12時17分。
 一応、のいち駅から土佐くろしお鉄道で、後免方面の発車時刻を見ておきます。
 うーん…次は快速で12時51分発ですか?約30分。待つにも微妙。歩くにも微妙。
 ここは、やはり昼食を摂りましょう。
 そして鉄道で後免へと。

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 さて、フジグランへ向かいます。
 案の定、ファミレス、ラーメン、回転寿司と並んでいます。
 ちょっと遍路中には重たいものばかりかな?とりあえずパスします。

 時間も有るようで無い。
 しょうがない。コンビニで「簡単に食べられるうどん」でも買い求めましょう。あのスープをぶっかけたら食べられるのですね。
 幸いにもフジグランの前にサンクスがあります。

 12時30分。昼食です。
 遍路の途中で「昼時に昼ご飯」って何度あったことでしょう?
 たいがいの場合で、昼も大きく過ぎたときに携帯食あたりで簡単に済ませることが多かったように思います。

 ただ、今回は食べた場所が…のいち駅1階の待合いです。
 落ち着かないのなんのって。やはり人目も気になりますしねぇ。ほかに思いつかなかったんですよ。
 こういうのも、回数が増えれば慣れてしまうのでしょう。
 ちなみに、サンクスで買ったのは「おろしうどん」です。スープ以外に豪華にも「大根おろし」が付いています。

 食べ終わったところが、まだ5分10分余裕があります。
 もう、これは散策などせずに…おとなしくホームで待っているのが幸いでしょうね。

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 定刻の12時51分に高知行きが発車です。
 朝の下り線とちがって混雑もなく快適です。
 快速列車と言うことは、いきなり後免駅までいくのかな?これはラッキーだ。

 12時58分、下車します。
 「ここはどこ?わたしは誰?」降りる駅を間違えました。
 後免駅が次の停車駅と思っていたら、後免町駅で降りてしまいました。
 ホームへ出てから気がつきました。

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 まーた。後免町駅から後免駅まで歩くんですか?
 朝、今さっきも歩いたばかりなのに!
 …いや待てよ?「快速でさえ後免町駅に止まる」のであれば、今朝も歩く必要が無かったのでは?
 バスの時間が遅い。と分かった時点で…おとなしく後免町駅で待っていれば良かったのでは?
 駅名に「町」が有るか?無いか?でエラい違います。

 ま、いいや。
 歩いて15分も離れていません。大きなロスではありません。
 朝に歩けたところは、今も歩けるでしょう。

 この区間でキーになる駅は後免駅(「町」の無い)のようです。
 状況によっては、バスに乗るために後免町駅も見てみるのも良いでしょう。と言うことで。

 時に12時58分。
 気持ちも新たに改めて、後免町駅を後にして第29番札所「国分寺」へ向かって歩き始めます。
 鉄道を使ってしまいましたが、旧来の遍路道とほぼ平行しているので…お赦しください。

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2007.11.09

【第2拝】第29番札所「国分寺」

【第2拝】第29番札所「国分寺」
平成19年11月3日 13:47

 気持ちも新たに改めて、後免町駅を後にして第29番札所「国分寺」へ向かって歩き始めます。
 ちょっとしたミスで、一駅分の距離を余計に歩くことになりましたが…全てを歩くよりは短いです。お赦しください。

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 高架線に沿った路地を抜けると、右手に土讃線の踏切があります。
 後免駅から進んだのであれば左手ですね。
 踏切を渡って、これより県道45号線を北進します。ガイドブックではバス利用を紹介しているケースもあるようです。
 良くある雰囲気の「田舎の県道」を歩いて進みます。

 30分ほど歩いた13時25分。
 「へんろ石まんじゅう」の大きな看板が目にとまります。
 「なんだろう?」と思ってさらに近づくと、なるほど!と全貌を理解することができます。
 年季の入った「遍路石」が健在しています。
 やはり風格は感じることができます。

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 その遍路石は、足下をコンクリートで固定していたり、粉砕されたものを修復したような…近年の手が入った痕跡も見受けられますが…。
 何度か、古い遍路石も見たことがありますが、これほど明確にアピールしているのを見るのは初めてかな?
 ま、それはそれで良しとして。

 時に13時36分。
 さらに北進を続けると、いよいよ国分川を渡ります。
 ここまで来れば、国分寺も近づいてきたような感があります。

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 歩き遍路は、これより土手沿いの道を進みます。
 ふと気がつけば、お地蔵さんが奉られています。

 この地点は、明治30年(1897年)に国分橋がかけられるまで、国分川の南北を徒渉する…辞書で引くと「川などを歩いて渡ること。」…の1本とのこと。何ルートかの1本という意味でしょうね。
 「地蔵渡し」と呼ばれています。
 おそらく、渡しの船があったのか?歩いて渡れるほど浅かったのか?
 ここ北側の堤防上には文化7年(1810年)の刻のある花崗岩の地蔵菩薩像があり、この渡し名の由来や古さがわかるところです。
 13時42分。通過します。

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 後免町駅から約3.5Kmを50分ほどで到着です。
 後免駅からだと約2.5Kmなので、大きくは違わないと思われます。
 第28番札所「大日寺」からでは、鉄道を利用しつつ…昼食の時間も含めて2時間ほどで到着です。
 南国市国分の第29番札所「国分寺」です。

 仁王門で合掌。境内へ臨みます。
 石畳が打たれた境内を進みます。

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 本堂へ向かっていると、第28番札所「大日寺」で挨拶を交わした青年と出会います。
 「あれ?28番さんでお会いしましたね!」声をかけます。
 「あれ?」みたいな感じで振り返られます。きっと同様のこと、ここまで来てれば慣れっこで珍しくもなくなっているでしょう。
 「じつは…自分は鉄道を使ってイカサマしてしまいまして…。また同じ時刻にお会いできるのも不思議ですよ。」わたしは、くだらないこと言ってしまいます。

 青年曰く「昨日に無理をしたのでゆっくり来たのですが…」
 「お昼はどうしました?」尋ねてしまいます。
 「10分ぐらいで…」とのこと。
 これが理由だ!鉄道利用と時間差が無いのは。わたしは余裕で昼食摂りましたし。

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 続いて青年より。
 「鉄道は遠回りになるところもあるのでは?」とのこと。
 痛いなぁ。1駅間違えて降りました。
 ルート的には、ほぼ平行しているんですけどね。

 青年は、また行き違いで出発の様子です。長く引き留めてもイケません。
 お互い「お気をつけて!」と声を掛け合って分かれます。

 本堂から大師堂へと参拝します。
 ちょうど、団体さんが撤収を始めた頃で、急に静かになります。
 落ち着いて読経します。

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 納経所では、女性2人が待機されています。
 団体さんも退出された後のようです。
 無事に納経の印をいただきます。
 気がついたことは、納経所の2人の方で「朱印を押す担当」「筆を走らせる担当」が分かれていることです。今まででも有ったことですが、妙に印象に残っています。

 ふと、一息ついたところで質問します。
 「善楽寺さんへバスありますでしょうか?歩いてだと間に合わなさそうで…。」
 納経所の方、曰く「歩いても間に合いそうですよ?7Kmを2時間ぐらいでしょうか。」とのこと。
 「もし、バスに乗るとすると?」続けて尋ねてしまいます。
 「バスなら、降りるのは『一宮神社前』ですよ。」とのこと。
 「なるほど。理解しました。乗れればと言うことで…」尋ねはしたものの、お茶を濁してしまいます。
 …これは、「あの網代笠の人はバスに乗るよ」と思わせてしまったかも知れません。ちょっと悲しいかも。

 余談もこのあたりでしょうか。
 「ご苦労様でした!」と声をかけていただき、納経所から見送られます。

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 時に14時30分。「国分寺」を後にして第30番札所「善楽寺」へ向かって歩き始めます。

【第1拝】第29番札所「国分寺」

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2007.11.11

【第2拝】第30番札所「善楽寺」

【第2拝】第30番札所「善楽寺」
平成19年11月3日 16:33

 第29番札所「国分寺」を後にして、第30番札所「善楽寺」へ向かって歩き始めます。
 車遍路向けの案内板を見かけますが、歩き遍路だと参考程度で…たぶん遠回りになります。

 土佐の国分寺さん、第2駐車場の前を通る路地を北進します。
 ここで案内板の通り、県道45号線まで戻ると…ひどく遠回りになります。あくまでも「あの案内板は車遍路」のためと考えて間違いないでしょう。
 ざっと見通した感触では「へんろ道保存協力会」のシールは見つかりません。
 ややもすると、迷ったり…遠回りになる歩き遍路もいるかも知れません。

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 路地を突き当たると、丁字路です。
 案内板で「歩き遍路は左へ。車遍路は右へ。」と大きく掲げられています。
 やはり、県道まで戻らず、国分寺さんの第2駐車場前を通過して北進したのは正解だったようです。

 この地点から、県道256号線を西進します。
 失礼ながら県道には見えませんでした。市道かな?農道かな?とか…。

 しばらく歩くと、国道32号線バイパスです。
 その昔、わたしが高知に住んでいた頃は「高知東道路」なんて呼んでいましたが、それは今でも変わらないのかな?
 このあたりは、高速道路で高知道の南国ICから流出すると、多くの場合で通過するので馴染みのある方もいることでしょう。

 国道32号線バイパスを渡って、さらに県道256号線を西進します。
 国分川の支流と思われる川を渡った頃には、県道384号線の南進を始めます。
 案内板が多く立っています。
 たぶんに迷いやすい構造なんですよ。

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 県道384号線は大きく緩やかな弧を描き、西向きのルートとなります。
 国道32号線のつもりでいましたが、今では県道になっているのですね。
 ま、このような道路は今では多くあります。

 時に15時31分。
 定林寺バス停前、国分寺さんより1時間ほど歩きましたがギブアップ寸前です。
 朝からだと…けっこう歩いていますよ?日頃から歩くことに慣れていないと…こんなものです。
 バス停とか、タクシー乗り場とか…見つけると心動いてしまうのですね。

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 さて、次のバスは15時36分です。あと5分です。
 乗ってしまおうか?続けて歩こうか?悩んでしまいます。
 「えーい!あと半分!」と、歩きで続行の意志を固めます。ここまで歩けば、後半も歩けるでしょう。
 まだ時間的には余裕があります。

 さらに、県道384号線を西進です。
 高速道路、高知道の高架線が目の前に見えます。だいぶん歩いたなぁ。
 ふと、後方から大型車らしき騒音でバスの接近に気づきます。おもむろに振り返ります。
 あー!これだ!
 乗ろうか?どうしようか?悩みつつ…乗らなかったバスです。
 15時39分。バスに追い抜かれます。

 覚悟を決めて、さらに西進します。
 徐々に登りがキツくなってきます。歩道から右側の車道は車がバンバン飛ばしています。登坂レーンもあるみたいです。

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 時に15時57分。
 逢坂峠を越えます。
 やっぱりバスに乗ればよかったカナ…。
 後悔はありません。元より歩くつもりでしたし、これはこれで良しとします。

 「へんろ道保存協力会」のシールを見つけます。
 県道を離れ、突然に墓地公園へ入るルートを示しています。
 札所は墓檀家を持っていないと思われるので、きっと無関係でしょう。

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 すぐに墓地公園を抜け、住宅地に入ります。
 協力会シールを交差点ごとに見つけます。
 これまで、あまり見かけることはありませんでしたが、頻繁に見かけることができます。
 それほどに「難しい区間」と見て良いでしょう。

 住宅地の途中で、ネコさん見つけます。
 話しかけながら近づいていき、しゃがむと…すり寄ってきます。
 人なつこいようです。かわいい。
 ネコさんに出会うのは久々かな?

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 時に16時24分。
 住宅地の路地を抜けると、善楽寺さんへの案内板を見つけます。
 いよいよ近づいてきました。もう、ここまで来れば迷うこともないでしょう。

 土佐神社の山門前で、2人の男性…歩き遍路と出会います。
 お約束の挨拶と同時にカメラマンもお願いしてしまいます。

 この土佐神社、明治の廃仏毀釈の余波で奥之院さんも含めて、二転三転と曰く、由来があるそうです。
 四国第30番奥之院「安楽寺」へも遠からず将来には赴きたいところです。

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 山門から境内へ臨みます。
 白石を打たれた参道を進みます。
 近所の方でしょうか?犬を連れて散歩中の男性より「あと200mがんばれー!」と声をかけられます。
 会釈をして擦れ違います。

 約7Kmを2時間ほどで到着です。
 高知市一宮の第30番札所「善楽寺」です。

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 時間が押しているので、失礼して参拝より先に納経所へ向かいます。
 先客の方が「泊まれる寺が近くに無いか?」と尋ねています。正直なところ「早くしてくれ!」と思いますが…口には出さず。
 納経所のおじさん曰く。
 「足摺、室戸の寺はやってるところあります。」
 「うちも含めて、他で近くの寺も昔はやってたんですけどねぇ…」とのこと。具体的に第何番と、何ヶ所か札所の番号を出しつつ。

 わたしは近隣で宿泊設備が有ったところを知らなかったので、思わず口を挟んでしまいます。
 「この近くで宿坊されてるところも有ったのですねぇ…?」
 納経所の方「裏を改築するまでやってました。やはり街中など旅館もホテルもありますし…。」
 「なかなか難しいところもありまして。お寺も大変なんですよ。」とのこと。
 居合わせた一同が「なるほど!」と思わせるような、お寺の苦労も忍ばれるお話でした。

 ほか、今日の日程の話題へと。
 わたしより「今日は朝早くから起きて28番さんから歩きました!」話題転換。
 納経所の方「そういう人、今日は多いね。祭日だし。朝から忙しかったよー。」とのこと。
 「明日も午前中が忙しいかもね?遠方から来てたりして。」話を合わせます。
 ほか、ほうぼうへ話題は展開します。

 「今日はこちらで打ち終わります。」話の締めくくりに。
 「ごくろうさま!」と見送られます。

 順序は後先になりましたが、本堂から大師堂へと参拝します。
 ちょっと気になる風貌の、歩き遍路と思しき男性を見かけます。この時間帯はお互いがバタバタするので、声もかけずに平行しつつも…全くの別行動を執ります。

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 時に17時15分。「善楽寺」を後にして宿探しのため高知市中心部へ向かって歩き始めます。
 すでに日も暮れかかっています。
 本日のノルマは達成しました。

【第1拝】第30番札所「善楽寺」

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2007.11.14

高知市内で宿泊。

 第30番札所「善楽寺」を後にして、宿探しのため高知市中心部へ向かって歩き始めます。
 すでに日も暮れかかっています。
 本日のノルマは達成しました。

 宿探しは、やはり高知駅周辺が手堅いでしょう。
 このまま高知駅まで歩こうかとも思いましたが…自信がないのでやめます。リサーチではJR土佐一宮駅が最寄りです。いわゆる…計算通りと言うことで。

 県道251号線を南進します。
 往路では「これって県道?」みたいな疑問も持ちますが、1本道のハズなので間違いないでしょう。
 問題は、駅に到着してからの待ち時間です。

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 時に17時45分。
 第30番札所「善楽寺」より30分ほどで到着します。2Kmほどの距離でしょうか?
 すでに日は暮れています。

 さて、次の列車は?
 ワンマンカーが17時57分発のようです。10分と少々の待ち時間。これは良い。ベストです。
 「歩きの区間」が関係するので、事前調査では最寄り駅ぐらいを確定しただけで、時間までは確定していませんでしたが、なかなか上手にいくものです。

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 定刻の17時57分。ワンマンカーで高知駅へ向かいます。
 18時07分。2駅を10分ほどで到着です。
 さて、この2駅を歩くことができたかな?はなはだ不安です。

 高知駅で下車、覚えのあるビジネスホテルを探します。
 素泊まりで安くて…かつて高知市内で呑んだ時にはよく利用したものでした。タクシー代より安かったので。

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 程なく見つけます。
 前回は見つけられなくて慌てました。

 フロントで「予約してませんでしたが…泊まれますか?」尋ねます。
 「申し訳ありませんが満室で…系列店でよろしければ手配します。」とのこと。やはり祝日で飛び込みは無理があったかな?
 もう、宿探しで歩く余力はありませんので、即座にお願いします。
 係の方、大急ぎで件の系列店に電話で確認してくださいます。空室があるようで…これで今夜の宿は無事に確保できました。

 5分も歩かず、案内していただいた系列店です。
 途中、友人のマンションがあったことを思い出しました。細かい路地に「懐かしいなぁ…」と思いつつ歩を進めます。
 ちなみに、この友人からはマンションを退去した知らせを受けていますので…訪ねることはありません。

 時に18時31分。
 某ビジネスホテルへチェックインです。系列店の安いところ。
 なんと順調な進行でしょう。まれに聞く「駅で寝たり」「公園で寝たり」「必要もなく豪華で高価なホテルへ泊まったり」からすると…順当です。

 居室では、デイパックを下ろし、輪袈裟を下ろし、白衣を脱ぎ、平服になります。
 明日の順拝に向かっては、見込んで準備をしてあるので荷物はこのままで問題有りません。
 身を軽くしたところで、よく見かけるユニットバスの手洗いで顔を洗います。
 そして、しばしの休憩。脱力。

 さっぱりしたところで、フロントへ向かいます。
 「土佐料理のおいしいところありますか?」訪ねます。
 「ありますよ!『ひろめ市場』が種類も多く、そしてリーズナブル。お勧めです!」とのこと。
 ご丁寧に地図まで提示いただきます。
 配布用だそうですが、1回見れば覚えてしまいますので丁重にお返しします。次の方へどうぞ。

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 紹介いただいた「ひろめ市場」へ向かいます。
 さすが、有名どころ?祝日だから?とにかく人がいっぱいで…座るところもありません。
 確かに色々なジャンルで出店していて、食べ物だけでなく、土産物、アクセサリーなどなど一言では言い尽くせないような賑わいです。

 アーケードじゃない、単にビルの1階でのことですが…想像を絶する賑やかさ。
 県外客には「まずココ」で間違いないでしょう。
 ただ「1人で来るところ」ではないような気もします。
 一回りして出ます。

 晩ご飯に困りました。
 追手筋の「赤い灯、青い灯」は、いささか危険を感じますし、晩ご飯にはならないのでパスします。
 なんとなく…見覚えある通りをウロウロしていたら、無難そうで、おいしそうな店名を掲げている看板を見つけます。
 ぶっちゃげた話、居酒屋さんなんですが。
 高知の居酒屋さんは「魚がおいしい」と信じています。今までハズレ無し。

 時に19時30分。見つけたところで、迷いもなく入店。
 混雑と言うか、すごい賑わっています。こう言うところは期待できるんだ。
 5席のカウンター、6席の座敷席が3つかな?4つかな?どこにでもある、ごく普通の居酒屋ですね。
 「1人だよ」と言う意味で、人差し指を立てて…表情は変えず目配せします。

 期待できるのは、高知ならではの「旨い魚」です。
 輪袈裟、白衣は下ろしているので…お許しください。

 カウンター席に座り、まずお約束の「生中を1つ!」注文します。
 「突き出し」が出されるタイミングで、「鰹のたたき」を追加オーダーします。
 この時点から、写真付きメールをほうぼうへ送りまくったので、ご記憶の方もおられるハズ…。

 さて、出された「鰹のたたき」に箸をつけます。
 「ニンニクのスライス」されたものと同時に口へ放り込むのが土佐流です。
 これは旨い。この店を選んで正解でした。猫と競争できるぐらい旺盛に食べます。時々はビールに口を付けつつ。

 続いて「にぎり寿司の盛り合わせ」を追加オーダー。
 晩ご飯らしくなってきました。ちょっと豪勢かも?
 くどいようですが、輪袈裟、白衣は下ろしているので…お許しください。

 待ち時間の間に、取材ノートを小さく広げて整理します。
 ついでに、今日1日での反省点を見直したり、明日のスケジュールの見通しを立てます。初日が大過なく終了したので、気持ちも楽です。
 宿泊地を高知市内で取れたので、明日はどちらに向いても行けます。ちょっと気も緩み気味?

 ジョッキがいくつか並んだ頃、カウンター隣席で3人の男女のお客さんと意気投合、店主そして店主の奥様も巻き込んで…盛り上がります。
 お客さんのうち1人の方から、わたしが「モップスのスズキヒロミツに似てる!」と言われ、しばしこの話題で賑わいます。
 …そのスズキさんは知らないんですが…バンドのメンバーと言うことは分かりましたが、「知らない」と言うと場が白けるので、よく分かりませんが一緒に盛り上がります。

 ひとしきり盛り上がった後、あまり遅くなると明日に響きますので…会計の合図を店主に送ります。
 偶然にも3人の男女も会計をしているようです。
 22時も少し回った時、良い頃合いで退出します。短い時間の宴会は解散です。

 速やかにホテルに戻って、フロントで鍵を受け取り居室へ。
 段取りよく風呂の準備をします。
 テレビをつけてみると…噂通り「民放局が1つ増えていて」感動します。どんだけ高知へ来ていないんだよ?前回に気がついていても良さそうですが…。

 風呂で汗を流し、さっぱりします。
 テレビを見ながらくつろいでいると…気がつけば0時近くに。
 これはイケない。睡眠不足は「歩きの敵」です。貧血で倒れますよ?

 室内灯を消してみたところが、今度は目が冴えて眠れません。
 今日は朝から、慣れないことでハードに体を動かしましたから…神経が昂ぶっているのでしょう。
 廊下の小さな物音、ほかの居室のテレビの音、風呂の音…それぞれが気になります。
 あら?今までこの部屋はこんな音を出していたの?て言うか音が通り過ぎ。ま、安いから良しとしますか。

 ほどなく眠ったものと思われます。
 8時頃、もそもそ起き出してきて身支度を始めます。ちょっと起きるの遅いかな?
 ちょっと睡眠不足のような気もしないでもないですが、行動には問題のないレベルでしょう。

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 8時半にはチェックアウト。
 フロントでは丁寧に「お気をつけて!」と見送られます。
 「お世話になりました!ありがとうございました!」とお礼を申し上げて、ホテルを後にします。

 ひとまずバスターミナルを目指します。
 朝の最初から恐縮ですが、第31番札所「竹林寺」を目指すのにバスを利用させていただこうかと…。
 直通のバスがあるようです。

 先に郵便局のATMに寄りたいのですが…。ホテルのフロントで聞くと、多分に高知中央局を案内されたと思うので尋ねるのはやめておきました。遠回りになりますし。
 おそらく、行く道で有ると期待して歩き始めます。

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 中央公園を抜け、はりまや橋を通過。
 電車通りを南進すると、大丸デパートのビルで1階がバスターミナルだったと記憶していますが…。
 ビルごと無くなっています。驚いたの何の…とにかくビックリしました。
 わたしの記憶が古いことは認めますが、手元のガイドブックもけっこう古いな(笑)。

 代替案を考えます。
 やはりバスか?路面電車か?JRか?タクシーは避けたいな。
 それとも、覚悟を決めて歩こうか?

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 道行く人に「バスターミナルはどこ行ったのでしょう?」と尋ねます。
 「え?!ココですよ?」意外そうに指さされます。地元の人は当然の常識なんでしょうね。
 かつてバスターミナルがあったデパートのビルから、電車通りを挟んで北側。デンテツターミナルビル前がバス乗り場のようです。
 何を隠そう、このビル前で道を尋ねたのでありました。
 お礼を申し上げ別れます。

 昔は何路線も発着していた、デパート1階のターミナルからすると…いささか寂しい感もありますが、とりあえず迷いはしないようです。
 ふと、いやな予感がします。もしかして?
 …案の定、竹林寺への直通バスは無くなっているようです。

 これは、路面電車を利用かな?
 土佐電鉄の路面電車に乗るのは何年ぶりだろう?15年ぐらい乗っていないんじゃなかろうか?
 特に胸躍るような期待はありませんが、すぐに乗れたら嬉しいな…。

 信号を慎重に見つつ、国道を渡って中央分離帯も兼ねる「電車乗り場のある島」へ移動します。
 これ幸い。10分ほどの待ち時間で後免町駅行きがあるようです。

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 時に8時51分。
 デンテツターミナルビル前より土電へ乗車、第31番札所「竹林寺」へ向かいます。
 降りる駅が分かりませんが、景色を見ながら勘で何とかします。
 行き当たりばったりになってきましたねぇ。

【第1拝】高知市内で宿泊。

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2007.11.15

【第2拝】第31番札所「竹林寺」

【第2拝】第31番札所「竹林寺」
平成19年11月4日 10:04

 宿泊地を後にして、デンテツターミナルビル前より土佐電鉄の路面電車へ乗車、第31番札所「竹林寺」へ向かいます。
 降りる駅が分かりませんが、景色を見ながら勘で何とかします。
 行き当たりばったりになってきた感もなきにしもあらず。

 後免町駅まで伸びる電車通りを、東へ進む路面電車の車窓から。
 懐かしい気分に浸りつつ。変わったところはないか?上京した田舎者のようにキョロキョロしてしまいます。

 進行方向から右手、南側へは注目しています。
 さして高さのないビル群を抜け、さらに東進します。
 ビル群を抜けた辺りから、目指す五台山が見え始めます。

 さて、どこで下車しましょうか?
 おっとっと。路面電車は国分川を越えた頃、緩やかに北へ進路を取り始めます。五台山が遠くなる感触を持ちます。
 行きたいのは南の方向ですから、このままでは時間的にマズいことにつながります。

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 時に9時03分。
 「西高須駅」で土佐電鉄の路面電車を下車します。
 果たして、ここがベストな選択なのかは定かではありません。
 旧来からの遍路道に近づくのであれば、もっと手前の駅で下車した方が良かったような気もしつつ。少なくとも国分川を渡る前でしょうか。

 9時07分。高須のサニーマート前で、ゆうちょ銀行のATMを見つけます。これはラッキーだ。
 不測の事態に備えて、ささやかながら現金を準備します。日頃は必要最小限の現金しか持ち歩かない主義なのですが…。

 国道32号線バイパスを目指し南進します。
 そこまで行ければ、遠方までも見通しができるハズです。

 9時15分。コンビニのスリーエフに辿り着きます。
 ここで、重要な「茶のペットボトル」を買い求めます。ここまで、来る道でコンビニを見つけられなかったので助かります。
 言えば、少し歩けばATM群さえある。便利なところだなぁ。

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 進路は定まりました。
 県道376号線を南進します。事前のリサーチでは…この先に長いトンネルがあるんですが…。
 旧来の遍路道、北側から登山して五台山越えのルートが良いかな?とか。まだ、進路変更は可能です。

 時に9時26分。
 「五台山トンネル」へ向かいます。
 先が見えないので長そうな…。
 まだ、悩んでいます。旧来の遍路道への分岐点は国道まで戻れば分かりやすいです。

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 トンネル内を進みます。
 歩道は十二分に広くて、自転車で往来する地元の方かな?も多く擦れ違います。
 ただ、車道からの騒音、排気ガスが大変です。地元の人は承知して、自転車で通過なのでしょうね。

 大したことはなくて、息も絶え絶えになるほどではないです。
 ただ、排ガスを吸って行くなら、山の空気でも吸えれば良かったかな?ぐらいのことで。
 近年に開通したトンネルなので、当然のように「旧来よりの遍路道」ではありません。わたしは通過したの初めてですが、予想通りと言うか…何と言うか…歩き遍路にはお勧めできません。

 9時38分にトンネルを抜けます。
 10分強を歩いたようです。トンネルの延長は885mとのこと。

 近道になったのかなぁ?よく分かりません。
 遍路道の雰囲気を味わいたいのでしたら、旧来の道を辿った方が良いでしょう。
 このトンネルは、あくまでも車用、もしくは近所の方用。

 トンネル南口付近で、しばし散策。
 北へ向かって登山を始めます。東屋、キレイな歩道とありますが…山道は何ルートかあるようです。
 進路の自信が無くなってきたところへ、若くてキレイな女性が大荷物を背負って下りてきます。
 これは、歩き遍路だ!女性が1人ですごいなぁ。

 「これを登れば竹林寺さんですか?」尋ねます。
 「はぁ?何それ?」みたいなニュアンスで返ってきます。一瞬、何か間違ったことを聞いたのかと思いました。
 順路からすると、逆からなので不思議に思われたのでしょう。その方にしてみれば、今さっき順に来たのに、逆方向から来て道を尋ねる遍路がいた訳ですから。
 すぐに気がつかれたのか?「そうです!登ると竹林寺さんですよ!」と返ってきます。
 たぶん、逆打ちと思われたでしょうね。実は違うのですが。

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 安心して、山道を登り始めます。
 しばらく登ると石段が多くなってきます。そして分岐点も多く。まるで迷路のようです。
 分岐を間違えると、突然に民家の前へ出て行き止まりになります。3度ほど後戻りをします。

 石段を登り切ったところで車道へ出ます。
 ここまで、大してキツくはなかったですが、迷って民家の前に出てしまうのは参りました。
 このまま山道、石段を避けて…車道で登ることにします。
 車道は今まで何度も通っていて、1本道と言うことを知っています。確実です。

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 ふと、南の方向へ視界が開けます。
 低い山々が連なり、先ほど通り抜けたトンネルから南へ道路が延びています。
 第32番札所「禅師峰寺」へは、この先、遙か南へと目指すわけですが…いきなり歩く自信を無くします。活動限界時刻の14時に帰れないことが起こりそうです。
 …これは体力的、時間的に歩けないかも。

 さらに車道を上り続け、気がつけば本来の参道、土の山道との分岐点のようです。しばし休憩します。
 誰か山道を下ってこられます。白装束、遍路姿の女性です。あまり若そうには見えませんが…おばさんと呼ぶには少しかわいそうな…微妙な年ごろ背格好です。これまた女性1人ですごいなぁ。しかし今朝はよく女性と出会います。

 道を尋ねてみます。
 「車道と山道ではどっちが近いですかねぇ?」
 女性曰く「それは山道ですよ!登ったらすぐに山門ですよ。どちらから登ってきたの?」とのこと。
 「トンネルを抜けて南から登ってきました。」答えます。
 女性は、なるほどね!と言う感じで「私は北から越えてきました。涼しかったですよ!」と続けられます。
 「本来の道ですねぇ。」感心します。
 お互い「お気をつけて!」と挨拶しながら、女性を見送ります。
 心中、やはりトンネルを抜けるのはよせば良かった…と思い始めます。

Dscf0443

 教えていただいたとおり、車道から離れ山道を登ると、すぐに仁王門前の駐車場へ出てきます。
 何のことはありません。道を聞いて正解でした。
 山道を嫌って車道からだと、ぐるっと遠回りだったようです。

 土佐電鉄の西高須駅から約1時間で到着です。3Kmほどでしょうか?
 だいぶん登りましたが、旧来の遍路道よりは短かったと思われます。ただ、トンネルは煙たかったですし、順路を逆に辿るので迷いやすかったとも思われます。
 高知市五台山の第31番札所「竹林寺」です。

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 段数少ない石段を登り、仁王門へ臨みます。
 久々の光景に感慨に浸っていると、ツナギに白衣の男性と出会います。バイクで遍路中かな?この、ツナギに白衣のスタイルは珍しいような気がします。
 せっかくですので、声をかけてカメラマンを頼んでしまいます。

 仁王門で一礼、さらに石段を登り境内を目指します。
 程なく、石畳を打たれた広い境内へ臨みます。じつは好きな札所の1つだったりします。ちょっとワクワクします。
 この頃、団体さんが到着されたのか?にわかに賑やかになり始めます。

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 混雑が始まる前に、本堂へ参拝です。
 ふと猫さんを見つけます。他の参拝者が手を出して…かわいがっています。
 また、後ほどかわいがりに行きます。逃げないでいてくださいね。

Dscf0451

 大師堂へ参拝です。
 読経が終わって振り返ると、団体さんは撤収されたようで人影が少なくなっています。ひどく忙しい団体さんだ。

 境内を散策していると、先ほどのバイク遍路…ツナギに白衣の男性と何度も擦れ違います。
 同じように何度も会釈して別れたような。
 …同じ方に、2度もカメラをお願いするのは、気の毒なのでやめておきます。

Dscf0453

 納経所へ向かいます。
 お婆さんと若い女性の2人が座っておいでです。他意はなかったのですが、お婆さんへ納経帳を渡します。
 無事に納経の印をいただきます。

 納経所前のベンチへ腰をかけ、休憩も兼ねて取材ノートの整理をします。
 人通りの多いところなのですが、今までに無く、通る人…通る人…皆がこちらへ会釈をしていくので不思議に思います。かつて、これほどまでは無いのになぁ。
 何か目立ったものがないか?装備など点検しますが…よく分かりません。

Dscf0455

 散策、猫さんとの遊び、ノートの整理に手間取ったので…少し時間に不安が出てきます。
 ふと、登ってくるときに見た「南への展望」を思い出します。本当に歩いていけるのかな?
 そう言えば、駐車場にタクシーが停まっていたな。
 失礼してタクシーに乗ってしまおうか?気合いで歩いていこうか?悩み始めます。
 ま、駐車場を見てから決めます。

 時に11時ちょうど。「竹林寺」を後にして第32番札所「禅師峰寺」へ向かって歩き始めます。

【第1拝】第31番札所「竹林寺」

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2007.11.18

【第2拝】第32番札所「禅師峰寺」

【第2拝】第32番札所「禅師峰寺」
平成19年11月4日 11:18

 第31番札所「竹林寺」を後にして、第32番札所「禅師峰寺」へ向かって歩き始めます。
 竹林寺の駐車場まで下りてくると…タクシーを見かけます。

 タクシーから降りて、車の横で立ちながら客待ちをしている運転手さんに声をかけます。
 「32番さんまで歩いたら2時間ぐらいですか?」
 運転手さん曰く「2時間ぐらいじゃねぇ。乗りなさる?2千円まではかからんぐらい。」とのこと。いきなり単刀直入に。そりゃま、ご商売ですから…。
 「まだ歩くか悩んでいるところでして…。」悪あがきをしてみます。
 運転手さん「まぁ、乗りなさいな。ここから不便なところやし!」と続けられます。決して、ひつこくは無かったのですが…南方への光景を思い出し、揺らいでいる心には響きます。
 「では、お願いします。」
 商談成立です。

 「歩くことへの意志」は、ほんの数10メーターで脆くも崩れ去ります。
 そそくさと、タクシーへ乗車します。

 すぐに発車です。
 先ほど、ゆっくり登ってきた車道を…見る見る下っていきます。この山道、県道359号線だったのですね。歩いたときは気がつきませんでした。
 心の中で「あ~ぁ。乗っちゃったよ。」みたいな、残念と思う考えが沸き起こってきます。

Dscf0441

 短いながら、県道32号線を経由、県道376号線へ合流します。
 この県道376号線、五台山トンネルから南へ延びる道路で、今朝の南への展望で「歩く気力を削いだ道」でしたが、タクシーで走ってしまえば…何のことなく短く。

 車中では、運転手さんの弁が立つので大変に賑やかです。
 「どこからおいで?夕べはどこに泊まったの?」と社交辞令に近い質問が続きます。
 「昨日、徳島から来て28番の大日寺さんから打ち始めて…高知駅前で泊まりました!」から話題が広がります。今朝からのルートなどへ。
 「大丸デパート1階のバスターミナルが無くなっていたのはビックリしました!新しい道、トンネル、橋も増えていて驚きました。歩けば良く分かるものです。」今朝からの感想を述べます。運転手さんと話をしていると、少し土佐弁も戻ってきているかな?

 「高知は大変じゃろう?」運転手さんより。
 「いや確かに。土佐の高知『修行の道場』がこれほどとは…。昨日も大変だったですよ。」お答えします。
 「実は10年ぐらい前、高知に住んでいたがですよ。このあたりは庭みたいに走り回っていましたが…えらい変わったです。歩けば大変です。」土佐弁モードのスイッチオン?
 「ありゃ?なんか土佐弁ぽいところがあると思えば…そうながかえ?」
 そして、話題はさらに脱線します。

 気がつけば、県道376号線を離れ、細い路地へ入っています。
 そして、県道14号線「黒潮ライン」へ合流します。

 前回、入り道が分からなくて迷ったところ…。
 さすがプロドライバー。今回は真正面にドンピシャリ出てきます。
 さらに細い路地を抜け、少しの登り坂を過ぎると…間もなく到着です。

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 タクシーの運転手さん曰く「お参りのあいだ駐車場で待っていてあげるよ?」とのこと。
 「一度、札所に入ると長い時間いるので…そのあいだ商売にならないのは申し訳ない。どうぞ、お構いなく…。」丁寧にご辞退申し上げます。

 約8Kmを15分ほどで到着です。
 歩けば2時間ほどでしょうか?「お赦しのタクシー」と言うことで、お許しください。
 南国市十市の第32番札所「禅師峰寺です。

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 いきなり、みやげ物店のおばさんと出会います。
 「あんまりキツくて、タクシー乗ってしもたがです!」照れくさそうに言ってしまいます。
 「ほかにもよけおるおる!(「ほかにもたくさんいるいる」の意)」と慰められます。
 ついでで申し訳ありませんが、カメラをお願いしてしまいます。

 「十一面観世音菩薩の像」へ向かって右手、石段を登ります。
 この、十一面観世音菩薩様は「船魂観音(ふなだまかんのん)」とも言われ、海上安全に霊験があると伝えられています。
 当寺は、禅師峰寺の寺号からか「峰寺(みねんじ)」と親しまれているそうです。
 ひとまず平坦になったところで、左手へ向かうと仁王門です。右手へ向かうと納経所です。

 仁王門前で、白装束のご夫婦と出会います。
 「良いお参りを!歩いておいでやねぇ。お気をつけて!」と声をかけられます。
 「お疲れ様です!お気をつけて!」と応えます。
 ごめんなさい。この区間は歩きませんでした。

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 仁王門で一礼。境内へ伸びる石段を登り、参道をさらに進みます
 このあたりから遠方への景観も良くなってきます。好きな札所の1つです。

 駐車場で見かけた車の台数からすると、人影少ないようです。
 団体さんとも鉢合わせになっていませんし、良かったと思う方向へ考えます。

Dscf0465

 本堂から大師堂へと参拝します。
 本日では、最後の参拝と思って丁寧に読経します。

 大師堂への参拝が終わったところ、少なかった人影はすでになくなっています。
 本堂前の「杖立て」まで戻ってきます。

 「あら?杖が無くなった!」
 どなたか、間違えて持って行かれたようです。
 代わりに、良く似た杖が1本残っています。杖には、某市S氏の住所氏名が書かれています。電話番号は書かれていません。
 あたりを見回すと、すでに誰もいません。

 わたしは、他の方が間違えないように、敢えて「杖カバー」は付けていません。そして、住所氏名は書いていますが、残念ながら電話番号までは書いていません。よもや「間違えて持って行かれることは無い」と確信していたからです。
 残っている杖は、同じように杖カバー無しです。ただ、S氏のは真新しく…わたしのとは長さが全然に違うハズなのですが…。

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 慌てて、納経所へ向かいます。
 もしかしたら?まだ、納経所で残っておいでるかも?
 何人か待っています。
 「某市のSさん、おいでますか?杖を間違えてませんか?」
 …いません。

 朱印と筆は後にして。
 さらに慌てて、駐車場まで駆け下ります。
 車に人が乗っていることを確認して、1台づつ聞いて回ります。
 「Sさんですか?」6台ほど聞きます。
 …いません。

 ひとまず、納経所へ戻ります。奥様?と男性が座っておいでです。
 無事ではありませんが、納経の印をいただきます。
 ひどく速く終わったので心配してしまいます。が、仕上がりは問題ないのかな?大丈夫みたい。

 納経所を後にして、長時間座っても差し障りのなさそうな…納経所建物の玄関近くで座ります。
 わたしの杖を持っている方が、心得のある方なら、時間を空費しても帰ってきてくれるかな?帰ってくるならココかな?甘い期待もあります。

 第33番札所「雪蹊寺」、そして念のため第31番札所「竹林寺」へも電話をかけます。
 事情を説明します。

 「わたしの『金剛杖』を持った方がそちらに向かわれるかも知れません。納経所で見つけていただければ助かります。」連絡先の電話番号も伝えておきます。
 同様の内容を両方の札所へ伝えます。
 ただ、竹林寺さんは「逆打ち」になるので可能性は低いです。
 逆打ちをするような人物が、よもや「他人と杖を間違える」なんて…考えにくいことでもあります。

 あきらめ半分で、座り込みノートの整理をします。
 突然に、知らない番号から携帯へ電話がかかってきます。

 取ってみて「Sさんですか?マと言います。」と尋ねます。
 電話の主はS氏です。

 「わたしの杖が無くなって、Sさんの杖が残っていました。よく似ているので連絡をお願いしました。」と伝えます。
 S氏曰く「33番にいます。マさん(わたし)の杖は持っていません。自分のも無くなって手ブラです。」とのこと。
 瞬間「うーん…。」と考えてしまいます。
 疑ってもイケませんし、これは言う通りとしましょう。

 わたしより「ここにSさんの杖があるのですが、どうしましょうか?」尋ねます。
 S氏曰く「杖はいりません。そちらで処分してください。」と伝えられます。
 いよいよ、「うーん…。」と考え込みます。短い時間だったハズ。
 「了解しました!」と言うつもりで、「りょうか…」あたりで電話を切られてしまいます。
 わたしが、「お大師様の化身とされる」杖を、私的に捨てるわけにはイケません。間違っても、ゴミに出すことなんて出来ません。
 当然、S氏の杖を続けて使うことはできません。

 仕方がないので、S氏の杖は札所に預けます。
 納経所の男性より「雪蹊寺さんで追いつかなかったら、その次に追いつきます。お預かりまします!」とのこと。S氏の電話番号も知らせておきます。
 一応、わたしの「特製納札」も渡しておきます。

 S氏より「33番さんにいる…」と言うことが分かりましたので、再び第33札所「雪蹊寺」へ電話します。
 「先ほど、杖を間違われたのではと思って、Sさんを呼んでもらったマと言いますが…先ほどSさんから『持ってない』と言われまして…。」ほか状況を説明します。
 「納経所においでた方で聞いてみます。」とのこと。

 第32番札所「禅師峰寺」、納経所の方より。
 「これで『厄を落とした』と前向きに考えるほうが良いかもね?」
 「ですねぇ。」答えます。
 そういうことでしょう。

 たぶん、わたしが2年ほど使ってきた杖は出てこないでしょう。
 さっぱり、あきらめることにします。
 いや、しかし「たまに杖が無くなる」とは聞いていましたが、このような形で現れるとは思いませんでした。
 最終日の帰路の直前です。
 最後の最後に、なんと言うことでしょう。

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 ふと、納経所の前で見覚えのある青年と出会います。
 第28番札所「大日寺」そして第29番札所「国分寺」で出会った青年です。

 「こんにちは!」と挨拶を交わしたところが、なんか見覚えがある。
 「竹林寺さんから、イカサマしてタクシーで来ました。先に来てしまいました!」言ってしまいます。
 「そういうコトもありますよ!」と慰めていただきます。

 わたしの電話の声が大きかったのでしょうか?一連の「杖が無くなった」話でポイントについては聞かれていたようです。
 「杖を無くされたようですが…?」青年より尋ねられます。
 「本堂から大師堂とお参りした後に無くなっているのに気がつきました。良く似た杖が残っていたので、33番さんで持ち主を見つけてもらったら、今に電話があったのですが『知らない』と言うんです。」
 「そうですかぁ。これから33番さん行きますので、気をつけてみますね!」
 期待しつつ、お礼を申し上げて別れます。特製納札も渡してしまいます。

 最後に、境内を…もう一回りしてみます。
 ただの見落としで、わたしの杖が残っていないかな…?
 やはり見つかりません。無くなったので確定のようです。

 ウロウロしていたら、別の遍路さんから質問攻めにあったりして。
 「歩き遍路さんですね?遍路道について…」
 子細は略。

Dscf0469

 石段を下ってくると、みやげ物店です。
 到着時にも出会った、おばさんから声がかかります。
 「誰か探しておったのじゃないが?」
 「探しよったけど、見つからざった。あきらめた。」応えます。
 「杖が無くなって、探しよったがよ!」
 「横着したら、お大師さまも逃げるがかね?」冗談半分で。
 おばさん「そんなこた無い無い(笑)」とのこと。

 「帰りのバスはあるじゃろか?」尋ねます。
 「さぁ?運が良ければ、バスもあるじゃろ(笑)」と返ってきますが、これで文字通り「正解」。
 郊外のバスは、そういうものです。
 昨日も、身をもって知ったハズ。

 努めて明るく!元気に!
 「ありがとう!」とお礼を申し上げます。

 時に12時55分。禅師峰寺を後にして帰路につきます。

【第1拝】第32番札所「禅師峰寺」

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2007.11.20

24日目終了です。

 第32番札所「禅師峰寺」を後にして帰路につきます。
 …やはり、なにげに手元が寂しい。

 ひとまず、バス停を目指して歩き始めます。
 大きく弧を描く、緩やかな下り坂を降ります。
 下りきったところで、「へんろ道保存協力会」の道しるべを見つけます。車道とは別に登山道もあったようです。

 少し東へ向かって歩きます。
 続いて、車だと対向も難しそうな細い路地を抜け北進します。曲がり角の要所では案内板があるので、往路について良く分かります。
 県道14号線「黒潮ライン」まで戻ってきます。
 道幅広い県道に出てきたところで、あたりを見回すとバス停の場所はすぐに分かります。

Dscf0473

 時に13時6分。峰寺通バス停です。
 第32番札所「禅師峰寺」から約10分で到着です。700mほどでしょうか?

 さて、次のバスは14時12分です。1時間は待てないですねぇ。
 そもそもが、土曜、日祝日だと1日に6本しか便がありません。平日でも8本。これは…よほど運が良くないと、行き当たりばったりの旅では乗れないですねぇ。

 仮に、詳細に下調べをしていて「バスの便が少ない」と知っていても、乗れるか?どうか?は別の話で…現地で行動の節目でないと分かりません。
 例えば、昨日の後免駅周辺でも同様のことが言えます。
 実のところ、高知県に限らず、四国で各県の郊外は「車がないと用事になりません!」のです。

 歩かないと仕方ありません。
 黒潮ラインを、上り方向へ向かって歩きます。
 さすがに地理勘は薄れていても、まだ方向感覚は濃く残っています。少なくとも、高知駅の方向は分かります。

 東へ向かって歩きます。
 歩けども…歩けども…進んだような気がしません。

 一応、バス停を見かければ、時計を見ます。
 経過時間によっては、バスが追いつき、追い越すまでに乗ってしまえば…これ幸いと。
 第30番札所「善楽寺」への往路では「ギブアップ寸前」でもバスを見送りましたが、この節は…可能であれば漏れなくバスに乗ります。
 乗り損ねると、徳島へ帰れなくなります。帰れたとしても、次の日が仕事になりません。

 歩けども…歩けども…進んだような気がしません。
 第33番札所「雪蹊寺」への遍路道とも重なるのですが、一向に距離が縮まったような気がしません。
 予定の札所は打ち終わったので気が緩んでいるのでしょうか?それとも、杖を無くして気落ちしているのでしょうか?

Dscf0475

 南国市から、高知市へ入ります。
 第31番札所「竹林寺」付近まで戻れば、今朝から逆のルートで高知駅まで行けますが…。
 どうにもテンションが上がりません。このまま、張りもなく時間と歩数ばかりを重ねるようです。
 ここでギブアップ。降参します。
 活動限界の時刻も近づいています。

 時に13時25分。南国市、高知市との境、今回の歩き遍路は断念です。
 恥ずかしながら、ガソリンスタンド「エネオスくろしお石油」に逃げ込んでしまいます。
 峰寺通バス停から20分しか歩いていないですね。

 軽装備ながら遍路姿を見つけた…ガソリンスタンドのお兄さん…文字通り、飛んで来ます。
 「どうか、されましたか?」尋ねられます。
 「申し訳ありませんが…タクシー呼んでもらえますか?」答えます。
 「了解しました!6~7分で来ますよ。中でお待ちください!」とのこと。
 状況を察してか、深くも尋ねられません。

 時に13時31分。タクシーに乗り込みます。
 物静かな雰囲気の運転手さんです。
 「高知駅まで…。」と伝えます。
 「どちらから来なさった?」尋ねられます。
 「徳島からです。」答えます。
 「そうかえ。」しばしの沈黙。

 「今朝は、高知駅前から少し歩きましたが、あのあたりも変わりましたねぇ。」話題を。
 「高知は変わったよ…。」
 にこやかに、そして静かに伝えられます。

 決して、運転手さんが仏頂面